Q:外国の国名を略して漢字1字で示したい。例えば「ロシア」は「露」としていいだろうか。そのほか、どういう国名が漢字で略記できるのか決まりはあるだろうか。
提问:想用一个汉字的缩略形式来表示外国国家名称。比如,俄罗斯是不是可以用“露”来表示。此外,哪些国家名称可以用汉字缩写是否有明确规定?
A:放送では字幕で、「米」「英」「仏」「独」「豪」と略記することがあります。また、「ロシア」「カナダ」の略記は、漢字ではなく「ロ」「カ」とカタカナ1字で書くようにしています。どういう国を漢字1字で略記できるのか、という決まりはありません。視聴者が理解できるかどうかを考えたうえで、判断してください。
回答:电视节目的字幕里,有“米”“英”“仏”“独”“豪”等国家名称缩写。另外,俄罗斯、加拿大的缩写是用“ロ”“カ”两个片假名表示。并没有关于什么国家的名称可以用一个汉字缩写表示的明确规定。请根据观众能否理解来作为判断依据。
<解説>
<讲解>
現代では、外国地名(一部の国や地域を除く)は、カタカナで書くことが当然のようになっていますが、大正の終わりごろまでは、新聞や雑誌で外国地名を漢字で書くことが少なくありませんでした。また、昭和に入ってからも、新聞では外国地名を漢字で書くことがありました。
现代日本已经习惯用片假名来表示外国地名(一部分国家和地区除外),然而一直到大正时代结束之前,报纸和杂志很多还是用汉字表示外国地名。进入昭和时代后,也还是有报纸会用汉字表示外国地名。
現代でも、略記という形でかつて使われた国名の漢字表記の名残が見られます。例えば、以下のような国々です。
即使是如今,也能见到用汉字来表示国家名称缩写。比如下文这些国家。
例アメリカ⇒米、イギリス⇒英、ドイツ⇒独、フランス⇒仏、イタリア⇒伊、オーストラリア⇒豪、インド⇒印
例如:美国⇒米,英国⇒英,德国⇒独,法国⇒仏,意大利⇒伊,澳大利亚⇒豪,印度⇒印
これらの国々は、いずれも現代の放送、新聞で略記されることがあります。それぞれの略記がどの国のことを指すのかが多くの人々に理解されていると想像できること、また、カタカナで書くよりも、漢字1字で書くことで字幕の文字数が減り、字幕を読みやすくすることができること、などの理由から慣用的に略記されていると考えられます。
这些国家在如今的电视节目、报纸中也会用汉字缩写表达。大多数人都理解每个汉字缩写指哪个国家,而比起片假名,单个汉字缩写能使字幕的文字数量减少,方便观众阅读,因此这些国家的名称缩写会使用单个汉字缩写。
今回の質問にある「ロシア」は、「日露戦争」など帝政ロシアのことを言う場合には「露」が使われますが、現代の国名の場合は、NHKではカタカナの「ロ」に略しています。これは、帝政ロシアとの違いをはっきりさせるという意味もあります。
而关于这次问题中提到的“俄罗斯”,像“日露戦争|日俄战争”等需要表示“沙俄”的情况,会用“露”的缩写。而要表示现代俄罗斯时,NHK就是用片假名“ロ”的缩写。这也是为了明确地和沙俄有所区分。
ブラジル⇒伯、ポルトガル⇒葡、オランダ⇒蘭、スペイン⇒西、フィリピン⇒比、オーストリア⇒墺
巴西⇒伯,葡萄牙⇒葡,荷兰⇒蘭,西班牙⇒西,菲律宾⇒比,奥地利⇒墺
いずれも日本と古くから関係のある国々で、以前は、漢字表記や漢字略記が定着していた国名ですが、現代の放送、新聞では、原則として漢字略記を使っていません。
上面提到的这些国家都是过去就与日本有所联系的,以前会使用固定的汉字表达,并且也有汉字缩写。但是现在原则上电视节目和报纸上都不会使用这些汉字缩写。