携わる人間が、しっかりと備えていなければならない必須の条件である。
(田村秀「データの罠―世論はこうしてつくられる」による)
注:先鋭化させる:ここでは、目立たせる。
49 筆者によると、報道に携わる人間が備えておくべき必須条件とは何か。
1 示されたデータから影の部分を取り除く力。
2 示されたデータが偏ったものではないか見抜く力。
3 示されたデータをありのまま分かりやすく伝える力。
4 示されたデータから報道目的に合ったものを選び取る力。
問題9 次の(1)から(3)の文章を読んで、後の問に対する答えとして最もよいものを、1・2・3・4から一つ選びなさい。
(1)
すでに地図の空白がなくなった現在、地理的な冒険や探検といった行為は、時間が経つにつれてどんどん不可能になってきている。ジャーナリストの本多勝一氏は、冒険の条件として「命の危険性」と「行為の主体性」の二つをあげているが、①近代の冒険は、その後者が重要なのだ。それはつまり自己表現の問題とも密接に関わってくる。ここでいう表現とは、地図上に誰もたどったことがない軌跡を描くという意味である。これまでの人類の歩みを俯瞰(注1)して、その隙間を見つけ、自分なりの方法で空白を埋めていく行為と言い換えることもできる。わかりやすいところでは、登山におけるバリエーション・ルートや、8000 メートル峰(注2)を無酸素で登ることや、厳冬期にどこそこを横断するとか、はじめて大陸の最高峰
に全部登るとか、そういうことだ。末踏(注3)の地がなければ、点と点を結んで誰もおこなっていないことをすればいい。そうした点と点を結ぶのが厳しい土地、アクセスの難しい場所、思いもよらないルートを形成するなら、なおさらその注目度は増していく。冒険の世界には、海でも山でも空でも、そういう志向が必ずどこかに存在している。白紙のキャンバス(注4)に絵を描くためには表現力が必要なように、②地理的な空白がなくなった時代を生きる現代の冒険家たちは、そこに特別な自分なりの題材を見つけなくてはいけない。だからこそ③冒険者はアーティストでもあるといえる。
50 筆者は①近代の冒険は、その後者が重要なのだと述べているが、それはどのような意味か。
1 誰もが難関と感じる対象を探し、命をかけて挑戦することが重要だ。
2 先駆者が偉業を成し遂げた場所に、新たな決意で挑戦することが重要だ。
3 新たな冒険の対象を見いだし、独自の方法でそれに挑戦することが重要だ。
4 誰も踏み入ったことのない場所に、独創的な方法で挑戦することが重要だ。
51 ②地理的な空白がなくなったとはどういうことか。
1 誰も考えつかないような冒険のルートがなくなった。
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